パーツモデル、という職種があることは知っていました。
身体の一部分だけのモデル、ということで、全身のモデルに比べたら露出度も低いし、そもそも名前も出なかったり、出ても小さかったりと、全然目立つことのない職業。
そんな風に考えていたし、自分の身体に他人に自慢できるような箇所なんて……だから、自分には縁がないな、って思ってたんです。
でもある日、高校以来、久しぶりに友人と会ったとき、開口一番にこう言われたんです。
「髪、すっごい綺麗だよね。昔からずっと思ってたんだけど、改めて見たらほんと綺麗」
そんなこと、今まで誰にも言われたことがなかった私は、本当に嬉しかったんです。
髪のケアには確かに気を遣っているけれど、それは他の誰もが同じだと思っていたし、特別自分の髪が綺麗だなんて考えたこともありませんでした。
髪のパーツモデルになろう、というのは、単純かもしれませんが、そんな理由からです。
手や脚、瞳などのパーツモデルのことは知っていても、髪にもパーツモデルがあるなんて、それまではまったく知らなかったんです。
でも、髪を褒められたあの日から、新しい私が髪から始まるような気がして、それで髪のパーツモデルに行き着きました。
今は、パーツモデル専門の事務所に所属しています。